2021年8月26日木曜日

「ブリヂストンEMKでの事業撤退策に関わる納得性無き対応と処遇に関わる団体交渉要求書」をブリヂストン本社に提出

湘南なぎさユニオンは8月24日付けでブリヂストン本社宛に団 体交渉要求書を提出しました。以下はその全文です。                  

                                                           
2021年8月24日

東京都中央区京橋三丁目1番1号 
株式会社ブリヂストン 
         代表執行役GlobalCEO
              石 橋 秀 一 殿                                              
                                                                           
                                                   
神奈川県平塚市宝町9-9   
労働組合湘南なぎさユニオン
委委員長 下山 友子          

ブリヂストンEMKでの事業撤退施策に関わる
納得性無き対応と処遇に関わる団体交渉要求書

    貴社は今年に入って「稼ぐ力の再構築」を旗印に各施策の見直しを強力に推し進めており、8月10日に発表された2021年12月期第2四半期決算では増収増益であり、株主配当も当初の予想を上回る勢いです。このような貴社の業績回復の背景にはこの半年間の施策実行の上できる人・出来ない人が発生することは当然であり、会社として本人事情に配慮したで、働く者への多大な犠牲の上に成り立っており、紛争になっていることは貴社もご承知の通りです。ブリヂストン100%子会社である株式会社ブリヂストンEMK横浜事業所に於いては、本年3月末に突然、金型部門、他サービス部門からの撤退が発表され、当部門に所属する約40名の労働者が対象とされ、決定事項として、引継ぎ業務を行い拙速に埼玉県加須市及び兵庫県加西市のグループ会社への年内出向、そして来年からは転籍という中で6月から転籍先への出向が始まるという説明でした。

   当然、転籍横浜場内での再配置先の検討がなされるが当然です。そのような対応もない、いわば「退職せざるを得ない状況に追い込む作戦」のリストラ策でしかありません。雇用確保の名目とは裏腹に「指名解雇」にも相当する乱暴な施策でしかありません。これまで貴社の子るような乱暴な施策は 許されず、その社会的責任は重大であります。 私たち労働組合は、ブリヂストンEMK横浜事業所に働く労働者の切実な要求を提出し、これまで4回に渡って団会社において、重要な業務の一角を長年にわたって担ってきた労働者をいとも簡単に切り捨て体交渉を行ってきました。しかし、誠意ある回答は見られません。このような施策を推し進めてきたブリヂストン本社の責任は大きく、これまで本社からの団体交渉への出席を求めてきました。直接親会社としての立場でその責任を全うすることが今こそ問われています。改めて団体交渉の開催を求めます。
   具体的日程につきましては、この申し入れに対する回答を8月30日までにお願い致します。なお、8月30日にはブリヂストンEMK・代理人弁護士を含む第5回団体交渉が予定されております。本社の責任ある立場でこの団体交渉に出席頂けることも視野に検討を求めます。 

(以下は貴社に対し組合員の訴えの総意です。) 

  2021年3月31日、会社施策により対象の従業員はBSFTへ転籍、業務は製造3交代勤務と発表されました。業務内容も異なり、これまでの経験や知識、能力を活かせる業務ではありません。転籍対象者の中には要介護の家族がいる従業員、シングルマザーや夫婦で対象となり、子の育児のため3直勤務が不可能な従業員もいます。これは事前アンケートにより会社側も把握しています。また、多くの従業員が横浜工場に勤務することを前提として生活拠点を構えている中で、通勤可能範囲を逸脱した転籍先を指示され、転籍不可能な場合は退職と説明されました。ほとんどの転籍対象者が40~50代であり、コロナ禍という状況もあって再就職先が決まらない状態にあります。3/31の説明会以降、複数の転職エージェントに申し込み確認しましたが、現状では60件ほど応募して1件面接できる程度、再就職には1年~2年を要するとの事でした。 不本意ながら退職しか選択肢がない従業員が多いなか、会社から提示された再就職活動支援策の特別退職金支給額は、50歳未満で退職金基礎額×9ヵ月との事でした。これは年収の4割程度の金額です。

   年齢的にも社会情勢を鑑みても再就職は容易ではなく、本支援策では数ヶ月で生活が破綻します。転籍対象者のほとんどが子育て世代であるにも関わらず、会社施策のために無職、無収入にならざるを得ない状況に追い込まれています。上記理由により、組合としては退職金とは別に加算金を要求しています。ですが、これまでの団体交渉で転籍対象者の置かれた切実な状況を訴えているにも関わらず会社側は一貫して「応じることはできません」との回答を繰り返しています。組合側の訴えを理解しようとする姿勢もなく、転籍もしくは退職するまで拒否し続ければいい、というような非常に不誠実な対応です。 また、これまでの会社の対応もとても誠意あるものとは言えません。

  まず、 3/31の説明会で転籍できない場合は退職と発表し、他の選択肢を明示しませんでした。その後6/3の従業員会との懇談会で、転籍はあくまでも合意の上でお願いをしていると説明されました。であれば退職も同様、合意の上で成立するべきであり、どちらも合意できない場合の処遇について質問しておりますが、いまだに正式な回答を頂けません。8/2の団体交渉時に執行役員は「その質問は想定していた」と発言されています。想定していたにも関わらず従業員にその選択肢を提示せず、退職の条件を示すのみでは退職を強要しているのと同じです。再就職活動支援策の特別退職金についても精勤指定日を設定しておりますが、精勤日の告知は説明会より2カ月弱も遅れた5月18日でした。この間に無職になるのを避けるため大幅に年収や労働条件を落とし、再就職先を決めた従業員もいます。再就職先の求める入社日により精勤日まで勤務できないため、特別退職金は支給されませんでした。

   会社の不誠実な対応により従業員は不安と混乱に追い込まれ、家族の生活環境まで多大な影響を及ぼしています。 また、3/31の説明会で「金型事業は他社へ代替可能」と説明がありましたが、代替先は選定されていない状態でした。「詳細な業務内容も理解していないまま、なぜ金型事業を撤退と決めたのか」との問いに対し、執行役員は「一般的に金型に関わる会社は多く存在するから」と回答しています。課内説明会では従業員からの「金型事業を存続させるための検討をしたか」という問いに対し、別の執行役員は「詳細まで検討しなかった。時間もなかった」と回答しています。我々従業員は日々、会社の実施計画に則り、業務を遂行してきました。ブリヂストンの企業理念に沿って業務にあたり、行動規範を守って誠実に会社に貢献してきました。それが今なぜこのように杜撰な施策と不誠実な対応により、十分な補償もされないまま退職せざるを得ない状況に追い込まれているのか、まったく納得できません。

    会社側から今回の施策は「会社の存続のため」「法的には問題ない」と言われました。会社のためなら労働者に著しい不利益を与えても、法に違反してなければ良い、使い捨てのように扱っても良い、というのがブリヂストンのあるべき姿でしょうか。今回の施策や組合への回答は、ブリヂストンの行動規範を遵守した行動でしょうか。ニュースで取り上げられたとしても、社外の世界中の人々に知られたとしても、ブリヂストングループの信用を落とさず、信頼や誇りを築くことにつながりますか。子会社の従業員など大企業からすれば小さな存在かもしれませんが、一人一人に生活があり、家族があり、子供がいて未来がある事をご理解頂き、誠実にご対応頂ける事を切に願っております。                                以上

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